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服部幸應 「食育コラム」第9回 大人のための食育② 食卓でのしつけ

2007年08月01日(水)

家庭で実践してほしい「食育」の3つの柱は、
 ①選食能力を高める
 ②食卓でのしつけ
 ③グローバルな視点で食糧を考えることだ、と私はいつもお話しています。

子供の成長を段階的に考えると0~3歳児までは、母親が子守唄を歌ったり抱きしめたりというスキンシップが必要です。そして3~8歳までは家族で同じ食卓を囲み、同じものを食べ、子供の顔や様子を見ながらコミュニケーションをとらなければなりません。子供の脳は10歳でできあがりますから、この間は人格形成の大事な時になります。この大切な時期には、親子でテレビに夢中になり食べたものを覚えていないとか、子供の偏食に気づかないなどということのないようにしましょう。

正しい食事のマナーもこの時期に家族が教えるべきことです。そして10代から20歳までは成長期です。成長に必要な栄養バランスの良い食事を、親が手作りすることが大切です。 近年女性の社会進出に伴って、仕事で遅くなるので料理に手間をかけられない女性が増え、食事の形態が変わってきました。スーパーやコンビニで調理済み加工食品を買ってきて卓に並べる。または外食にしてしまう。そうすると、子供たちは親が料理する姿を見ないで育つから、自分でもやらなくなってしまうのです。食に対する関心も育ちません。日本の子供は料理ができないといわれる所以です。

昨年来日されたニュージーランド牧草牛親善大使のルース・プリティー女史は、「ファーストフードは速さと利便性ばかりを強調するけれど、家族と一緒に食事をしながら話をして、ものの考え方や価値観を教わるという基本的なことが損なわれてはならない」とスローフードの重要性を述べておいでです。 子供の、心身ともに健やかな成長を願うならやはり家族が揃って食事をすることが大切です。特に成長期の子供には、大切なたんぱく質や鉄分を欠かすことのないよう食材にも配慮しましょう。

それでは、成長期の子供たちに何を食べさせてあげれば良いのでしょうか? 食材に配慮する選食能力についてはニュージーランド牧草牛の例をあげて、何度もお話しました。近年、自由に放牧され牧草だけで飼育された牛肉には、不飽和脂肪酸が豚や鶏に比べて豊富に含まれていることや、牧草飼育牛肉に豊富に含まれる鉄分は妊娠している女性にはとても大切な栄養素であることもわかってきました。

生まれてくる子供たちの基礎体力や骨格形成にも大きな影響を与え、母体の健康と産後の回復に、また成長期の子供も、良質の牧草飼育牛肉を摂取することは重要なのです。大人から子供まで成長と健康維持を助ける重要な食物であるニュージーランド牧草牛は、食育に適した食材だといえるでしょう。
服部幸應(はっとりゆきお)
(学)服部学園・服部栄養専門学校の理事長・校長/医学博士。
食育をテーマにした講演活動等に取り組み、内閣府「食育推進会議」、内閣官房「新健康フロンティア戦略本会議」委員、厚生労働省、農林水産省、文部科学省、東京都等の委員を務めるほか、(社)全国調理師養成施設協会会長などで広く活躍している。