食品安全庁、そして農林省バイオセキュリティ局。食品の安全を何よりも優先するのが、酪農大国ニュージーランドの国策です。
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服部幸應 「食育コラム」第7回 安全な食材選びについて(牛肉)
今、食に対する最も高い関心事といえば、食材の安全性や健全性でしょう。とくに家族の毎日の健康を管理する主婦の多くが、「健康」と「安全」に高い関心を持っています。
「健康で安全な食材」の一例を挙げるなら、自然に近い生育環境で収穫される「有機野菜」 「減農薬・無農薬野菜」などが注目されています。これは化学的農法ではなく、堆きゅう肥などの有機物によって土をつくり安全な食糧生産を目指すものですね。自然が自然のままに育てた ものの良さは誰もが認めるところです。
自然に近い生育環境は野菜や果物だけに必要なものではありません。魚や肉にもこれはあてはまるのです。たとえば、ニュージーランド牧草牛は、広々とした自然のなかで放牧され、牧草だけを食べて育ちます。牛は本来、牧草を食べて育つのでニュージーランドではその自然体のままに健康な牛を育てるために、牧草地より上流では道路や工場の建設に国の許可が必要であるなど、開発を規制し昔ながらの自然を残しています。環境破壊が世界的な問題になっている 現代では、自然を保持し続けられること自体が贅沢な環境といえるかもしれません。
また食肉に関していえば「成長促進ホルモンの未投与」や「抗生物質残留ゼロ」といった言葉を聞いたことはないでしょうか。ニュージーランド牧草牛は、健康な土壌に育つ栄養豊かな牧草を食べていれば牛は充分に育つので、成長促進ホルモン剤は厳しい規制のもとで一部の牛にのみ投与が認可されています。ただし、必要があって投与された牛は識別され、投与されていない牛と区別することが法律で定められているそうです。また抗生物質は病気の治療のみに使われ、病気予防などに日常的に使うことはなく、仮に投与された場合でも識別が義務付けられているとのことです。さらに土壌荒廃と家畜への影響を考慮し、牧草地では科学肥料の使用も 制限されています。ニュージーランドでは「健康で安全な食材」の生産に国家で取り組んでいるのです。
安心できる食材を選ぶには、それぞれの食品表示を理解して、肉や野菜を選ぶことが大切で 必要なことですが、もう一歩踏み込むならその食材の生育環境を知って、自然のまま安全に育っているというものを選ぶことを意識してみてください。栄養もあり、味も良く、かつ安全である食材に家族みんなの満足が得られると思いますよ。
服部幸應(はっとりゆきお)
(学)服部学園・服部栄養専門学校の理事長・校長/医学博士。
食育をテーマにした講演活動等に取り組み、内閣府「食育推進会議」、内閣官房「新健康フロンティア戦略本会議」委員、厚生労働省、農林水産省、文部科学省、東京都等の委員を務めるほか、(社)全国調理師養成施設協会会長などで広く活躍している。


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